内部結露とは、材料内部の温度が冷えることで材料中の空気の水蒸気が露となる現象です。表面結露と違い見えない内部で結露が生じていますので、発見が遅れることも多々あります。被害が大きくなると建物の劣化の原因となるので注意が必要です。
|
○建物内での内部結露
内部結露がおこりやすいのは、外壁や屋根周り、床下、コンクリートや金属と木材が接触する部分などです。
○壁や屋根周りの内部結露
寒冷地などでは、外気と室内の温度差が大きくなり、断熱材の内部で結露を起こすことが有ります。
断熱材の中の空気中の水蒸気が外気側で結露を起こします。
|
|
○床下での内部結露
床下の湿気増加の原因は、一般的には地面からの湿気の上昇と言われていますが、決してそれだけでは有りません。現在は壁や天井の材料は、湿気を吸収しにくい材料が用いられています。その為
湿気を帯びた空気は床下に滞留します。床下は屋外の空気が自由に出入りするため、床下の温度は外気の温度と変わりません。
その為、畳や木材の中の水蒸気が結露を起こします。
|
|
○材料の接合部分での内部結露
木材で痛みが激しい部分は、コンクリートや、金属との接触部分です。木材がこうした接触部分で痛みやすいのも、実は内部結露が原因です。
木材は、暖まりやすく冷えにくい、熱伝導性の低い材料です。一方、コンクリートや金属は熱伝導性の高い材料です。
夜間や明け方など、温度が下がると木材の中で熱伝導性の高い材料と接触する面が冷やされ、結露を起こします。古くから残る寺院、仏閣では、釘などがほとんど使われてい
ません。そうしたことも、木造建築が何百年と残る一つの要因だと言われています。
|
|